懐かしい煙草の匂いと 腰下ろす土手の草いきれ 浅ましく風を待ちながら おれはちょっと涼しいみたいだ 口ずさむうたが年老いて この頃じゃ皆よそよそしい つきまとった言葉や匂いも まるでどっか他人事みたいだ 知らぬ間に全部が飴色に染まり 振り向けば夕暮れ こんなにみじめな西日に 燃えざしの気分はそのまま 半端な夜風と踊るよ おれはちょっと涼しいみたいだ あてもなく部屋を飛び出して 同じ様な場所に戻るけど 橋の上汽車が横切れば おれはどっか行けそうな気分だ そんなイメージを飼い慣らすうちに この騒ぎも終り さいならみじめな子供よ 待ちわびてばかりの時間よ 老いぼれて夏が終るよ おれはちょっと涼しいみたいだ こんなにみじめな西日に 燃えざしの気分はそのまま 半端な夜風と踊るよ おれはちょっと涼しいみたいだ