さよなら、またねって いつか来るんだって 目を逸らしては溜め息 傾く陽が照らす 影を長く伸ばした 君をただ見ている 出会いは突然でも ちょっとありきたりだから 映画や小説には とてもなりそうもない ごめんね こんな時に うまく伝えられないから 空白を埋めるように 口遊むんだ 君を 空を泳ぐ烏 聞こえた 夕方五時を告げる歌 今を飾るに相応しい言葉も 見つけられないでいる 夕映え 並んだ影がまだ二つ 歩き出すのを躊躇った 離れてしまったら二度と元通りには なれない気がした 思えば思うほどに終わりが胸を過る 本音を飲み込んではまた 気付かないふり 変わらない街並みは 足りないものばかり思わせるから 変われずにいる僕の前で 笑う君が詩になる さよなら、またねって 離れてしまったら二度と元通りには さよなら、またねって 想いを束ねて 最後に君に渡そう さよなら、 じゃなくてまた会えるよねって そう確かめるように 夕映え 佇んだ影がただ一つ そっと夜に落ちて消えた