時計の音が嫌い その笑顔を奪っていく足音 帰り支度の背中 見送る笑み ドアが閉まる 今日も 暖かさ 愛おしさ 嘘じゃないのは知ってるけど 「私だけ」 「あなただけ」 それは違うじゃん 悪い癖ね 嘘で隠すより染め上げてよ その赤で もっと綺麗に染まるから 涙見せないわ 見たくないでしょう 胸の奥 溢れる前に差し伸べてよ 飲み込んだ雫で 薄められた緋は 恋のような薄紅 ふたりだけの世界線 矛盾さえも忘れさせる魔法瓶 離れがたい温もり 心だけがなぜか背中合わせ 甘い声 大きな手 此処にあるのは確かだけれど 曖昧にすり抜ける言葉 答えは分かっているの 悲しみより早く染め上げてよ その赤で もっと綺麗に染まるから 幸せの中で息もできず 知らぬ間に溺れる前に抱き上げてよ 飲み込んだ雫で 薄められた緋は 淡いほど切なく 会いたいよ 想うことさえ間違い? 一言で千切れるような 細く赤い糸 願い叶うなら 未来が見たい 胸の奥へ 飲み込んだ言葉は 涙の海に落ちて あの五文字が溶けてく 「さようなら」