最寄駅に向かう直前で不意に 飛び込んだ突風に気を 取られてしまう 怪物と名のついた缶で持ち越す 新しい季節が近い 近い 紐を無くしたパーカーの 袖口に穴が空いて 生活の遂行は 覚束ないままのようです 生き残ってしまった感覚が こびりついてる こびりついている 気が狂う直前に 不意に思い出した過去のせいで 踏み外すことだけが どうしても私はできなかった せめてこれだけはと書いた歌に どうかこれだけはと歌う声に 気づかないだろう誰も 気づかないのだ 感情や祈りは必要がないことを 肉塊になった後であなたが 教えてくれた 気が狂う直前で 不意に思い出す記憶のせいで 踏み外すことだけが いつまでもできやしないのだから せめて私は私のために ただ頷くだけの声を 気づかなくとも日々を 日々を 生活は最低で 不意に思い出す悪夢のせいで 踏み外すぎりぎりを なんとか凌ぐだけのようです せめてこれだけはと書いた歌に どうかこれだけはと歌う声に 光あるなら、なんて 思ってしまうよ