柳田植物公園 温室の ガラス越しから 月が覗き 眠る花々の 夢の中 そっと忍び込む 光たち 誰にも見えない シンフォニー 奏でているの かもしれない 九十九湾へと 続く道 カーブを曲がる たびごとに 違う表情の 海が見え 心が揺れる 夜の色 真脇遺跡 丘の上 縄文の風が 通り抜け 何千年もの 記憶たち 耳に囁く メッセージ 土器の欠片に 宿るのは 古代からの 祈りかな 松林の間を すり抜けて 風が運んだ 波の音 記憶の海へと 誘われて 一歩一歩を 刻んでく 白菊の花が 咲く庭で 時が止まった かのように 明日は違う 私でも 今は静寂に 溶けてく
