能登一宮 気多大社 夜風かすめる 杉木立 御神水映す 石畳 祈りを乗せて 流れゆき 千年の時を 重ねては また新しい 夜が来る 鹿島公園の ベンチから 見上げる空の 高さまで 想いは届く 気がしては ため息ひとつ こぼれ落ち 西田幾多郎記念館 窓際で 哲学の道 辿るよう 真理を探した あの人も こんな月夜に 歩いてた 問いかけられた 言葉たち 今も響いて 消えない 土塀の町並 通り過ぎ 行き交う人の 気配さえ 記憶の中の 風景と 重なり合って 溶けてく 鳥屋の水車 音を立て 時を刻んで 回りつづけ 私の心も めぐるまま 静かな闇へ 溶けてく
