風が揺らす木々の隙間 街灯が作る淡い影 静けさの中、踏みしめる道 遠く響く夜の囁き 蓼川(たでかわ)の流れが 誘うように 微かに光る川面を眺めて 名前のない星たちが語る 言葉にならない物語 行き先もなく夜を歩く 触れた空気が胸を刺す 答えを探すわけじゃない ただ夜の声を聴きたくて 小道を抜ける足音だけが 私の心を映すリズム 近づいては消える灯りたち 影が踊る不確かな瞬間 城山公園の高台から 滲む街の光を見る 誰もいないこの静寂に 心の奥が揺れ動く 戻れない道を進みながら 夜が全てを包み込む 形のない想いを胸に 私はただ歩き続ける 風に舞う葉の音がささやく 遠くで誰かの声が響く 夜明けを待たずに彷徨いながら 夜空に浮かぶ月を見上げる この道がどこへ続くとしても 私はここで生きている 綾瀬の静かな夜の中で 誰にも触れられない時間を抱く 夜の声がそっと響いて 終わりなき旅を続けていく
