江の島の裏手では 砂時計が傾いて 誰かの足跡だけが 満ち潮に消されてく 波が数えているのは 時間なのか思い出か それとも未来の私 どれも答えはない 引地川の水面に 月が四つに割れては それぞれが違う顔で 私を見つめてる きっと本当の私も どこかで揺れている 湘南海岸の砂は 夜の贋作者で 誰もいない浜辺では 海を真似て波打つの コピーは本物より どこか切なげだけど それでも確かに今を 生きているみたい 潮騒の向こうで 渚が光ったなら それは誰かの願いが 零れ落ちたしるし 私の心の中も 少しずつ光る 引き潮が連れてく 明日への切符だけ 懐かしい明日への 片道の記憶を
