ほらまた駄目だ 溝(どぶ)の様な音楽だ こんな箱にいる僕も同じだけど 憧れが飽和して夢の様な舞台など 爪の先も掛からない程遠い世界さ 目が淀んだ足音の中 やるせなさを隠すことなく 煙草を燻(くゆ)らせて見上げた 春の明かりが歪(ひず)む 真っ直ぐに掻き鳴らした 誰かの為の美学は 聴きも見向きもされず掃き 溜めに転がるだけ ひとひらの希望もすり抜けて踏み 潰されても 喰らいついていくしかないのか ほら場違いだ でも何故か美しく 惹き付けて止まない姿に震えて 諦めてしまうのも違うような 気がしてさ また明日も叶わぬ夢を 追いかけそうだ 引っ込めた手に馴染んだ 保身の為の美学は やけに汚れた街と色が 似ていておぞましい 僕は春になりたいんだよ 場違いの方がいい 照らせよ真っ直ぐに 掻き鳴らした誰かの為の美学が 聴きも見向きもされず独り 善がりに終始して ひとひらの希望もすり抜けて踏み 潰されても 喰らいついていくしかないだろう