死に場所を求めて来たなんて 親にも言えないな 呆れた奴だと思うよ 氷点下を切り裂く耳鳴りは 世界が裏返る夜の前触れだ 笑顔ばかり瞼をよぎるのも この期に及んで悔いがあるのか 冷めた人間のくせに 君に優しく出来なくて こんな僕は傍にいる価値も無くて 揺れる虹に包まれながら目を 閉じれば 朝が来なくなるのも望み通りだよ だから僕の命も連れ出してよ 彗星を見に行く約束も 守れなくなるけど 笑い話に変えてくれ 自己犠牲の一つも出来ずに 愛を嘯いていた奴の話だと 揺蕩うあの羽衣に悴む手を伸ばす 君に優しく出来なくて こんな僕は傍にいる価値も無くて 怖いくらいに光る星で満ちた空を 息が無事止まるまで見上げ続けよう 君が無事幸せになれるように 君に何も返せなくて こんな僕に生きている価値は無くて どうせ死ぬなら綺麗なものを 見てからがいい 馬鹿でごめんね 君を泣かせてしまう事も 傷付けてしまう事も無くなるなら 揺れる虹に包まれながら目を 閉じるよ 朝が来なくなるけど これでいいんだよ 僕はいなくなるけど これでいいんだ