スピーカーの上でスニーカーの上で 届かないなら届くまで 残らないなら残るまで 刺さらないなら刺さるまで 先進国の発展途上志半ばで刺し 違えた言葉 こうあるべきあああるべきそうなる べき 足の裏が 血だらけの就職氷河期炎上に消火器 超過するパケット残り数 バイトの一言 アカウントがBAN されること以外はかすり傷 明日ライブがあるから喉を 労わるつもりが声枯らす 「逃げる」 という選択肢は 最後に残るわけじゃない むしろ、 最初に消えてしまうこともある ただ救われた命にはあたらない焦点 その場限りの言葉が スクロールされる様に 2023年7月を上から下へと 撫でおろし 届かないなら届くまで 残らないなら残るまで 刺さらないなら刺さるまで スピーカーの上で 人を一番殺した生き物は感染症を 媒介する蚊 それは、 言葉と似ていて間接的で殺傷能力が 見えにくく 蚊そのものには悪気がなくて 危険性を理解していなくて その針が自分に刺さる事を 恐れてそれしか生きていくに方法を 知らなくて いつでもどこにでもあって 刺されたりかゆいうちはまだ良くて 気が付くと蝕まれていて 何よりもその言葉は生きていて 消えていく命とともにSNS から削除されていく誹謗中傷 あっという間にスクロールされる 人を一番殺したのは 言葉かもしれないと思う時はある こんなに生き 生きしていていつまでも 脳裏にこびりつき 言葉本来の意味の先で様々な憶測が 駆け巡り 全く自分の人生に関係ない 一生関係することもないそんな 人の言葉ほど なぜか 自分の人生にあてはめてしまい それは 10代の後半に変わろうと 苦しんでいた先に ようやく辿り着いた 自分に世間に認知され始めた自分に 華やかなスポットライトの下にいる 自分に 自分が憧れた自分に宛てられた 言葉だからだ 人前に出なければ知り合う 事なかったあなた ラップしなければ出会う 事もなかった言葉 逃げ道の先にステージ 上の自分がいる (だからもう逃げるという 選択肢はない) 誰にも文句は言わせないさ このリリックも何度も書いたり 消したりした産物だ 見てみないふりしたわけじゃない オレだって自分のことで 精一杯だった スピーカーの上でスニーカーの上で 届かないなら届くまで 残らないなら残るまで 刺さらないなら刺さるまで 宛先なんて 最初からない何があるのか 分からない真っ暗闇に やみくもに放り込むオレも 無責任な1人 でも、自分の言葉は自分で回収する