山の向こうに 沈んだ 夕陽を ぼーっと見ていた 遠くのビルはタケノコ 視えぬ暮らしも 見えずに想えるの 電波の向こうで聞いた話 星すらも出会えぬ夜も 五感繋ぐ回線の先で世界にいたい いとけない念は 符号に変わって あなたと私の間 行き交い 隣にいるけど 電話 胸の中に響くのは 再現した声 受話器みたいな口、耳 あなたみたいな振る舞い デジャヴの効いた日常 握る手と手の感触 話す意味を ここを出たい、出たい、出たい 場所ではない、意味・未来 接続は 悪くない だけど 何か足りない 幻のバタ足 肌が内側から 少し見えて遠のく 全部嘘なの? それなら、まあ… 街を見おろす海沿いのビルで 暮らしを全部ミニチュアにして どこかにあなたを探す ここじゃないと気づいた日 こぐまの尾が沸く いとけないままで育ったヒヨコが 天球を割り芽吹くのだとして それでもきっと変わらず 胸の中に響くのは 再現した声 だとしても だよ それでも 声に出して