帰りの歩き方が分からない 生まれたように震えているから 差し出したのは僕の腕だけで そっと君は笑ってる 二時間も経てば ここは君のお家だから 僕も久しぶりに来たなって 少し懐かしくなった 六畳一間に、埃被る額縁に 笑顔の二人が肩を並べてる 絵本の世界みたいなんだ でも君の記憶だけ散った 水滴が付いたそのコップ 写真の横、君の手、映る 砂浜の涙光る 君の記憶だけ散った 僕の希望とかも散った 流る、時、歌う だけど思い出すのは悲しいさ 瞼の裏、君を眺めてる そういえばこの話 聞いたことある 右手に転生 生きることにはもう 何の怯えも無い君 どっちかというと僕の方が 怯えている一人だけ 窓から日差し入る 二人でまた出かけたい そんなことを言ってくれたんだ その日の夜は眠れなかったんだ 昨日の夜の風も散って 朝になれば雨が降って 一年前の空の景色 また君に見せたかった 降る雨に風を切って ただ身体に汗が流るる 君、笑っていた 二人肩を並べて歩いてた 来る壁なんか怖くはなかった 明日を考えれば花咲いた 僕ら旅に出よう ただ歩いてよう 二人歩く歩幅を知った 気づけば二人キスをした あの山の麓に行こう その景色は美しい 君の記憶だけ散った わすれないように文字を綴った 外は夕焼け