富谷宿から 細い坂登る 月を背にして 影が伸びては 西沢水晶の 畑のあたりで 消えかかる虫の 声に耳澄ます 住宅街には まだ瞬く窓 テレビの色だけ カーテン染めて 誰かのレポート 終わるのを待つ 深夜のニュータウン 明かりが消えない 明け野平で 小学生たちの チョークの落書き 足元に残り 明日は雨だと 天気予報見て 傘持ってこいと 書き足してある 塾バイトの 帰り道でも 毎日寄ってく 児童公園 ブランコの鎖 錆ついていても まだ乗れそうな 気がしている 住宅街には まだ瞬く窓 テレビの色だけ カーテン染めて 誰かのレポート 終わるのを待つ 深夜のニュータウン 明かりが消えない 学生時代の 友の実家から 漏れるスカイプの 話し声聞く 大人になった 街の夜更け 変わらないもの 探している
