Track by夜散歩娘
線路の向こうに グラウンドの星が消える 青葉台の坂道 風が吹き抜けてゆく 夜露に濡れた アジサイの花が 信号に照らされ 紫に染まる 誰かの窓辺の カーテンが揺れて 利府城址公園に 影法師が伸びる ひとりぼっちの背中を 野球場の灯りが照らす サイレンの音が遠ざかって 街がため息をつく どこかで聞こえる 子守唄のような風の音 まだ帰りたくないから 小径をさまよう 夏の終わりの匂いが 肩に降りかかる 懐かしい記憶が 夜空に溶けてく