Track by夜散歩娘
日暮れ早い 飛騨の空に 宮川越しの 影が揺れ 古い町並み 格子の奥で 百年前の灯が ともる 陣屋跡の 石垣に沿い 仄かな明かり こぼれ落ち 誰もいない朝市通り 市が立つ夢を 見ている 東山寺院群 鐘を打てば 山あいの街が 目を閉じて 夜の帳の中 眠りながら 明日の朝を 待っている 飛騨の匠が 削り出した 木目の奥の タイムライン いくつもの季節 重ねあわせ 記憶を彫る 街角に 白川氷菓子 溶けるように 夜は明けてく 山の端で 手水舎の音 清らかに 新しい朝 呼び覚ます