金魚ちょうちん 灯る街 昔の数字で 時を刻む 商家の暖簾 くぐり抜け 異なる時代へ 迷い込む 算盤の音が 聞こえそで 白壁伝いに 消えてった 白壁の町並 寄り添って 格子の向こうの お茶の間は 誰かの暮らしを 映す窓 四百年前の デジャヴかも 阿月港の 岸壁から 潮風数える 三日月は 塩の辞典を 開いては 明日の味付け 決めてゆく この街育つ レシピには 秘密の調味料 混ぜ込んで やない南北 市場では 眠りについた 魚たちが 明日の食卓 夢に見て 尾鰭動かす リハーサル 時計の針より ゆっくりと この街育つ 土壌で 私の芽生え 待っている 誰かが撒いた 種のよう
