珍しいことに謝られたのは 霹靂と揶揄していいような春のこと ただ一言だけ たったそれだけでも 僕を突き落とすだけの力があり 穏便に続いたはずの君がいる空が 乱気流に飲み込まれてしまい 急転直下 面倒臭くて天邪鬼で 気紛れで落ち着かなくて 本当に手が掛かるけど 許してしまえるような日々で 隣にいた 風速何百メートルかの大事な人は 爪痕を残したまま 綺麗に離れていったんだ ようやく苦労して咲いた桜さえ その美しさごと攫ってしまう風に 恨み言ひとつ伝えられぬまま 立ち竦むばかりで なんて滑稽だ 散々な貰い事故だと他人事みたいな 笑い話に変えられるほど 強くなれないや 面倒臭くて天邪鬼で 気紛れで落ち着かなくて 本当に手が掛かるけど 許してしまえるような日々で 隣にいた 風速何百メートルかの大事な人は 爪痕を残したまま 綺麗に離れていったんだ 楽しそうに駆け回って あちこちに振り回して 本当に手が掛かるけど そんな君を好きになってしまって 隣にいた 風速何百メートルかの大事な人を いつになったら忘れられるのだろう