古い喫茶店を見つけて 店先の看板を見つめて 特に何の予定もないから 少しぼんやりしてみようか 気付かない主人に声をかけ 適当な所へ腰をかけ 一言で注文を済ませて 店の様子を見渡す 何もかもが古くて テレビだけ少し新しくて だいぶ前になくなってしまった 懐かしい祖父の家みたいな風景 銅で出来たコップで よく冷えるアイスコーヒー 煙草に火を点けて 手元に目を落とす くすんだ花柄のクロスのくたびれた 小さなテーブルで 君がいればいいのに こんな静かな昼下がり 煙の行方を追って 頭のネジをゆるめてみる 時間はただ流れて 日々を遠くへ押しやってゆく 昨日のことのように 昔のことを思い出す 昔のことを思い出す 昔のことを思い出す テレビのニュースが終わって 次の番組はつまらなくて チャンネルを変えながら彼は 退屈そうに椅子に座って 新聞を読みながら 遠くを見つめながら 人はいなくなって コップの氷も溶けて くすんだ花柄のクロスのくたびれた 小さなテーブルで 君がいればいいのに こんなむなしい昼下がり 長い時を越えて 皆元に戻ってゆく 交わり合った人も やがて僕を通り過ぎてく がっかりさせてしまった君のことを 考えている 君のことを考えている 君のことを考えている 炎天下、炎天下、炎天下、炎天下 炎天下、炎天下、炎天下、炎天下