寄り道や回り道にも 何か言い訳が欲しくて 短くなった日差しすら 憎らしい放課後だ 呑気に前を歩く君は 私の気持ちも知らずに 居眠り中に見た夢を 語って聞かせるけど 今度こそ、今日こそは、と 爪先を睨んで 視線を上げた先に不思議そうな笑顔 君の目に茜が反射して 波打つ恋が声の邪魔をする ひとこと言いたかっただけなのに どうしても手を繋ぎたくて 影を伸ばした 鈍い君は気付かないかもな 夕焼けに二人の道草が揺れた 大きく背伸びしても 転んでしまうのは確かで 半歩後ろを歩いて 見上げるだけの日々だ 朧気に響く鐘の音 河川敷ももう店仕舞い 近付く三叉路を前に 焦りは増すばかりだ 今度こそ、今日こそは、と 意気込んで来たけど 視線がぶつかる度に 変わることが怖くなる 爽籟が滲んだ汗を撫でる 金木犀が鼻を擽り逆立つ 感情を抑えられなくて 息を吸った 勇気を振り絞ってるってのに やっぱり君は眩しいままで 同じことの繰り返しだな 君の目に茜が反射して 波打つ恋が声の邪魔をする ひとこと言いたかっただけなのに どうしても手を繋ぎたくて 影を伸ばした 鈍い君は気付かないままで 夕焼けに二人で溶けていく