万博記念公園 太陽の塔が 目を閉じて 昼間と違う 顔を見せる 誰かの願いを 宿したまま 深い闇から こぼれ出る 五十年前の 未来図に 吹田スタジアム 誰もいない スタンドは 今日も明日も 待っている 歓声の種を まいておく 片山公園の 木立ちで 夏の最後の 風を探す 古びた遊具が 軋むたび 記憶の引き出し 開いては 違う季節の 色が滲み 透明な今を 染めてゆく 夜風に乗って 届いてく モノレールの リズムさえ 誰かの帰路を 照らすのか 街が息をする 音になる まだ見ぬ景色を 求めては 新しい道を 選んでく 変わりゆく街の したたかさと 儚さ抱いて 歩いてく
